【アスリートレポート】
Top Speedサポートアスリート、トライアスロン今村圭孝選手より、
2016年6月12日(日)にオーストラリア・クイーンズランド、ケアンズで行われました
『IRONMAN Asia-Pacific Championship Cairns 2016』のレースレポートが届きました!
IRONMAN Japanの開催中止に伴い、日本人に与えられる世界選手権への出場権(コナ・スロット)が30用意された大変注目度の高い本大会では、日本からの出場選手が500名にも上ったそうです。その中でもエイジM35-39では日本人1位でフィニッシュ、見事コナ・スロットを獲得しました。おめでとうございます!
今村選手はこの結果をもちまして、現在AWA (All World Athlete)オール・ワールド・アスリート・ランキング
AGE M35-39ディビジョン全体で3位、日本人1位として、Goldステータス(全世界のエイジグルーパーTop 1%)
を獲得しています。
*****
【IRONMAN CAIRNS 2016 レースレポート】
開催日 2016年 6月12日 (日)
場所 オーストラリア(ケアンズ)
距離 Swim 3.8km / Bike 180km / Run42.2km
TOTAL TIME 9:56:24
Age 35-39 DIV RANK 12位 (日本人1位)
バイク FUJI NORCOM STRAIGHT 1.1(株式会社アキボウ)
ウエア Zoot TRI TEAM TANK 8 SHORT
ウエット Zoot Z FORCE 3.0SL
シューズ Zoot SOLANA 2(以上、株式会社K2ジャパン)
シューレース Greeper Laces(株式会社SUNNY FISH)
アイウエア OAKLEY Jawbreaker(金栄堂)
メカニック 材木座サイクル(株式会社OSJ)
フィッティング 株式会社エンデュアライフ
補給食 PowerGEL、TOP SPEED(有限会社パワースポーツ)
サプリメント Astavita(アスタリール株式会社)
日焼け止め Athlete-X(株式会社アミックグループ)
【Swim】55:19
スイムはウエーブでのスタートで先頭から20秒ほどでスタートすることができた。
海はうねりがあり波も高くスタートしてからなかなか前に進んでいかなかったが、沖に出ると思った以上に泳ぎやすく感じた。
海岸線沿いを2周回のスイムコースで1周回目は自分のペースで泳ぐことができたが、2周回目は後からスタートした選手が多く、その間を縫うようにして泳いでいく。 最後のブイを左に回り海岸に向かっているとライフセーバーが指をさして何かを言っている。
海岸に向かうところにもうひとつブイがあることが分かり、少しロスしてしまったが、そのブイを回りなんとかスイムアップ。
【Bike】5:26:32
バイクはスタートから雨が降りだし身体が冷えてしまうと思っていたが、その心配はいらなかった。スイム会場のパームコーブから海岸線をひたすら進み、ポートダグラスという町までの折り返しのコースで、若干のアップダウンがあるが比較的フラットなコース。途中、路面が悪いところがあり少し走りづらかった。
ポートダグラスの町を折り返し少し進むと、胃が痙攣をおこし始めた。ロング3戦目でさすがに疲労が出てきたのか、嘔吐もしてしまい、それからは補給のジェルも受け付けなくなってしまった。
それまでにパワージェル12個を入れたボトルの半分くらいは飲んでいたので、少しはカロリーを摂取できていた。そこからはドリンクだけでも飲まないと、と思い飲んでいたがなかなか力が入らず後ろからの選手に次々とパスされていく。
パームコーブを折り返してからは向かい風が強く、思うように前に進んでくれなかったが、しっかりペダルに体重を乗せることを意識しながらペダルを回す。
パームコーブ手前で折り返し2周回目に入ると少し感覚も戻ってきたが、補給ができないためなかなか力が入らず、このままの状態で走れるか不安になる。 ポートダグラスの町までの海岸線のアップダウンも、向かい風が強い。路面も悪く、コースには振動で取れてしまったと思われるボトルゲージも落ちていた。
ポートダグラスを折り返し、またパームコーブまで戻ってきた。ここからあと少し、と自分に言い聞かせながら乗っていたが、意外と距離があり気持ちが折れそうなったが、ケアンズ空港を過ぎ、ケアンズの町中に戻ってこられた。
そこからは2kmくらいでトランジットがあり、観客も多くなってきた。バイクシューズを脱ぎ腰や足を延ばし、ランに備えバイクフィニッシュ。
【Run】 3:27:37
ランに入るとすぐ横腹が痛くなり、歩いたり走ったりの繰り返し。
バイクで補給ジェルが摂れなかったため、ドリンクを多めに飲んでしまったのが原因なのは明らかだった。
その後数キロはそんな状態だったが、前に同じカテゴリーの選手がいる。その選手よりも前でゴールしないとコナでの世界選手権の枠が取れないことが分かっていた。
しかし、ウェーブスタートなので何分後ろからスタートしているのかが分からない。1周回目で4分差をつけられれば勝機があると思い、ペースを上げて走ることにした。
2周回目の折り返しでそのタイム差を計ると、8分以上ついている。このままいけば15分くらいに広げることができると確信した。
そこからは本当にきつかった。
エイドで氷をもらいウエアの中に入れ、水で頭、首を冷やし、血糖値を上げるためにコーラを摂りとにかく前へ、前へ。
IRONMANをやっている以上、コナでの世界選手権は何よりも価値があり、目標とすべき大会。そこで勝負したいという気持ちだけで、とにかく前へ進んだ。
最周回、38km地点を過ぎたところで身体が言うことを聞かなくなり、歩きだしてしまった。
さすがにロング3戦目で疲労がピークにきていたのかもしれない。
その時、後ろから一人の日本人選手が追い上げて来た。その選手の背中からはコナへの強い気持ちが伝わってきた。
よしっ!行こう、そう自分を奮い立たせ、その選手と走りだした。
ラスト2kmでペースを上げその選手を抜き去り、重くなった身体をフィニッシュラインまで運ぶことができた。
最後は本当に「コナへ行きたい」という強い気持ちだけだった。
タイムこそ良くはなかったが、次に繋がる良いレースだったと思う。
応援して頂いた方や、サプライヤー様ほんとうにありがとうございました。
コナではしっかりとレースできるように準備していきたいと思います。
今村 圭孝